みなさんこんにちわMr.Tetsuoです。
10月後半の更新です。昨日東京で観測史上最も遅い
真夏日(30度)を記録したと思ったら、今日は一転、朝起きたら
北風ビュービューのの涼しさでした。体感温度は昨日と今日で10度くらい違います。北海道では
初雪も観測されたようです。ただこの時期らしい
涼しいさも今日から3日くらいで、その後はまた
夏日(25度以上)が復活するようです。
新幹線ネタが続きますが、今回は貨物専用の新幹線車両について語りたいと思います。









JR東日本が、座席がなく荷物だけを運ぶ専用車両を開発する方針であると一部の新聞で報じられました。
貨物新幹線構想の歴史は古く、東海道新幹線の計画時にも、丸々編成が貨物専用の新幹線車両も検討されました。
東海道新幹線計画時、品川(将来的には現在新幹線の車両基地がある大井ふ頭)・静岡・名古屋・大阪に貨物ターミナルを設置し、コンテナを積載する貨物電車列車の運行が検討されました。
この貨物列車は深夜時間帯に最高速度時速150キロで、東京―大阪間を約5時間30分で結ぶ計画でした。
当時の国鉄もこの貨物新幹線計画は結構本気で、車両イメージ案や模型も制作し、実際東海道新幹線の構造物は貨物列車の走行を前提とした設計基準で建設され、貨物駅の用地買収や準備工事も一部で行われました。
当時の東海道新幹線貨物電車のイメージ図
(イメージ図:当時の国鉄資料より(交通協力会・新幹線50年史))
車輛も在来線の機関車が牽引する貨物列車とは違い、専用コンテナを積載する貨物電車案が検討されました。(この構想はのちにM250系スーパーレールカーゴとして在来線の貨物電車として実現しました。)
貨物新幹線構想が在来線で実現したM250系スーパーレールカーゴ
(写真:東海道本線 大船駅/撮影:裏辺金好)
(写真:日本の旅・鉄道見聞録様HPより)
当時の国鉄は、旅客専用で開業後、数年たって需要が落ち着いたら近い将来ゆくゆく貨物列車もという考えだったようです。
しかし、当時はモータリゼーションの真っただ中で、これからは鉄道より高速道路を利用したトラック輸送が主流になり採算性がないという反対意見や、深夜に貨物新幹線を走らせると、夜間の線路保守・点検作業が困難となる事、また騒音公害が(特に名古屋駅周辺)開業後に社会問題化した事、また在来線貨物列車が時代とともに技術の革新で高速化され、東京―大阪間が8時間になり、新幹線での貨物列車のメリットがなくなった事(ちなみに現在は最短約6時間で走破)などの諸問題から結局実現しませんでした。
こうした経緯から東海道新幹線での貨物新幹線は結局断念されましたが、ところがどっこい貨物新幹線構想は消えませんでした。
その後延伸された山陽新幹線開業では、東京―博多間が在来線貨物列車が16時間以上を要するところ、新幹線だと10時間程度で結ぶことができるため、山陽新幹線も貨物列車の運行に対応した設計されました。
またその後の東北・上越新幹線の構造物も貨物列車に対応した規格になりましたが、それらの路線でも貨物新幹線は実現しませんでした。
その後は国鉄民営化でJR旅客各社の新幹線は旅客専用、貨物はJR貨物が在来線で、旅客会社に線路使用料を払って運ぶのが、固定化され、新幹線の貨物輸送構想は完全に消えたと思われました。
それが新幹線で荷物を運ぼうという機運が再熱したのは、コロナ禍での乗客の落ち込みがきっかけです。
JR東日本では2020年のコロナ禍以降一時利用客が減った為、新幹線の有効活用として2021年10月から荷物輸送サービス「はこビュン」の定期輸送を始めました。(検討自体はコロナ禍以前からあったようです)
当初は一時的なコロナ禍対策でもあったようですが、東京駅でのイベント「朝採れ新幹線マルシェ」では、その日の朝にJR東日本エリア各地で収穫した新鮮な野菜や果物は運荷主・消費者とも好評で、新幹線荷物輸送の可能性を本格的に検討していくきっかけになったようです。
この「はこビュン」は医療用の検体の輸送にも活用され、地方の病院から設備の整った東京の検査機関に最終便で検体を送ることで、当日中に確実に東京に到着し、翌日午前中には検査結果が出ます。
ただ現時点では、車内販売準備室が荷物スペースで、その為段ボール箱40箱程度を搭載するのがやっとで、輸送力には限りがあります。
そこで客室内にも荷物を入れ通路や座席の上も活用し数百箱を搭載する「多量輸送」の実証実験を昨年から既に行っており、来年度には本格的にサービスを開始する予定です。
さらに報道ではその需給を踏まえて将来的には専用列車を編成することも視野に入れているとしていますが、現時点では多量輸送実証実験と同様、編成内の一部客車(1~2両)を荷物専用とする運用で、その後需要と利益性が見込まれれば、一編成丸々の荷物専用車両編成を検討するといった流れのようです。
現在、北海道新幹線の札幌延伸時の4時間以内の運行に備えてJR東日本が開発する時速360キロ運転を見据えた試験車両「ALFA-X」は、高速運転に伴う騒音を抑制するため、ノーズが先頭車両の半分以上に及んでいます。
その為、客室スペースは少なく、この先頭車(と最後尾車)を荷物車にする案もあるようです。
たしかに編成の中間に設定すると旅客の通り抜けが困難なる為、先頭車両案は濃厚です。
JR東日本の試験車両E956形(ALFA-X)特に新青森方先頭車両は客室部分が非常に少なく、空気力学の理想的な先頭形状のみ追求した形
(写真:東北新幹線 大宮駅/撮影:裏辺金好)
(写真:日本の旅・鉄道見聞録様HPより)
JR東日本がこの昔幻の計画に終った貨物新幹線構想を再び検討するに値すると現代によみがえらせたのは相互乗り入れしているその北海道新幹線の開業があります。
北海道新幹線は、在来線の貨物列車と3線区間として青函トンネルと前後区間で線路を共用して運用していますが、ダイヤ編成上の制約やすれ違い時の風圧など安全上の問題で新幹線の速度を時速140キロに制限するという制約があります(現在はトンネル内のみ速度向上)。
そのため新幹線の速達効果が低下することからJR北海道はこの区間の在来線貨物を廃止して新幹線車両の内部に在来線の貨車を搭載するという「トレイン・オン・トレイン」構想を打ち上げました。(YouTubeで動画も出ているほど本気でした)
しかし、貨車の積み込み施設の整備やまるまるコンテナパレットを、短時間で専用貨物新幹線内に収める技術的問題など諸問題も多く今なお実現には至っていません。
この貨物どうする問題は新函館北斗―札幌間の開業までには解決する必要があり、東京―札幌間を航空機と競争するにはどうしても4時間を切る必要があり、この問題の解決は不可欠です。
在来線貨物を廃止して船舶輸送に切り替えるという突飛な案まで浮上しましたが現実的ではなく、解決策の決定打はまだ見いだせていません。
尚、札幌延伸開業時に長万部―小樽間の通称山線(函館本線)の廃止には地元自治体も同意しました。
一方室蘭本線・千歳線経由の函館―長万部―苫小牧―千歳―札幌のルート(通称海線)は貨物輸送という重要な役割があり、現時点で廃止は免れています。(但しこの海線も第三セクター化されると思われます)
このJR東日本の貨物新幹線報道はJR東日本からの公式な発信はいまのところまだありません。
またJR貨物側もこのJR東日本の貨物新幹線報道に対して「コメントは控えさせていただく」とし、「現在、旅客会社が行っている新幹線荷物輸送は長距離、大量輸送を得意とする当社の輸送とはニーズが異なる」として、あくまで役割が違うという見解です。
今のしかし、今回のもし一編成丸々貨物という新幹線編成が将来的に本格的になったり、北海道新幹線の青函トンネル区間の在来線貨物廃止となれば、JR東日本とJR貨物は何かしらの折合い(費用面とか線路使用料とかお金の問題)が必要となってきます。
JR東日本も、JR貨物との関係が悪化するのは好ましく思っていないと思いますから、まずは1編成当たり1車両ないし2車両で様子見という事でしょう。
(記事参照:YAHOOHニュース)
では今回はこの辺で。

また次回お会いしましょう。

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